第8章 白兵戦
いつものようにキッチンで朝ごはんを作る。
夏島で朝から暑い。
今日はあっさりめで、尚且つスタミナがつくものにしよう。
急な温度変化は体に負担がかかるから、食事で少しでもその負荷を減らせるように…
ガチャ
と、リビングのドアが開く。
まだ朝も早いからきっとローだ。
『おはよう、ロー…っちょ!!ロー!!!』
「あ?」
私は思わず手で顔を覆い、台所でしゃがみ込む。
火が出そうなくらい顔が熱い。
「…どうした。」
『どうしたって、、、ロー、服…』
「暑いんだよ。
別にそんな騒ぐほどのもんでもねぇだろ。」
『そんなこと、、、』
ローは素肌に直接パーカーを羽織っただけで、大きなハートのタトゥーが露わになっている。
細身なのに筋肉はしっかりついていて、逞しい身体は色気がダダ漏れだ。
ガチャ
「…キャプテン、カラおはよ〜」
「あちぃな本当。」
「僕あんまり食欲ない…」
『ちょ//ペンギンもシャチも…服着て!服!!』
みんな繋ぎの上をはだけて部屋に入ってくる。
ベポは…まぁ、いいけど、、、
「あー……悪りぃ。」
「ま、でもそんな気にすんな!
減るもんでもねぇし!!」
『うぅ…』
確かに暑いし、私も1人なら脱いでしまいたいくらいでもある。
でも、、、みんな思ってたよりガッシリしてるから…目のやり場に困る//
「慣れろ。」
ローはドカリと椅子に座りながらそういう。
『でも…』
「大体鷹の目だってそう変わらん格好してただろ。」
『おじさまはいいの。』
「………チッ、なら問題ないな。
この船のルールは俺だ。慣れろ。」
『…』
少し機嫌が悪そうに舌打ちをしてそっぽを向くロー。
怒らせちゃった?
やれやれと言わんばかりの顔でシャチとペンギンが笑う。
確かに、乗せてもらってる身であまり我儘は言えない。
私はぎこちない動きをしながらテーブルに食事を並べた。