第8章 白兵戦
「キャプテン!なんでまともに払ったんすか!」
「あんなの絶対おかしいですって!!」
ペンギンとシャチはそう言いながらローの後を歩く。
確かに、私も疑問だった。
…注意すべき海賊たちのリストは頭に入ってる。
明らかにあの海賊旗の海賊はローにとっても私にとっても取るに足らない弱小海賊。
そんな奴らに大人しく下る理由はない。
「…安心しろ。明日にはその倍になって返ってくる。」
ローはニヤリと笑って船への帰路を辿った。
…どことなく急いでいるように見える。
『ロー?何故そんなに急いでるの?』
「…ベポが心配だ。」
『?ベポ???』
「とにかく、早く戻るぞ。」
ローにそう言われ、訳もわからぬまま船へと戻った。
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「あぁ…おかえり〜キャプテン…」
「あぁ。」
ローは船を出た時と同じようにだれてるベポを見て明らかにホッとしたような表情を浮かべた。
それからシャワーを浴びたり色々した後、全員がリビングに集められた。
「明日からのことだが…ベポ、カラ、お前らは船番だ。
絶対に俺の許可なく島に上がるなよ。」
「アイアイ!
僕暑いのダメだから嬉しいよ。」
『了解。』
「それと、船に上がってくる奴が居たら誰でも攻撃していい。
こんな島だ。何があってもおかしくない。
船番だからといって油断するなよ。」
「アイアイ!」
『わかったわ。』
「俺とシャチとペンギンは俺と補給だ、と、言いてぇところだが、、、
この島でまともに補給するには金がねぇ。」
「金ないのにあんな大金ポロっと払ったんすか!?」
「金無かったら何も買えませんよ!」
…質がいいとは言えないあんなお酒を10万ベリーで売るほどだ。
補給するにしても恐ろしいほどの値段を請求されるだろう。
ハートの海賊団はローの采配により、他と比べて財政面はかなり豊かな方ではある。
が、長い航路の補給にかかる費用だって安くはない。
…どうするのだろうか。