第8章 白兵戦
暑くてだれてるベポを船番として置いて、私たちは上陸した。
「うわぁ…」
シャチがそんな声を上げる。
…確かにそう言いたくもなる。
一応街はあるものの、バーや酒場ばかりの荒れた街。
治安は最悪。
リゾート地なんて無さそうだ。
「…この島では個人行動は慎め。
面倒はなるだけ避けたい。」
『了解。』
「…はーい。」
ローが言うように、あちこちから感じる嫌な視線。
ローが賞金首だからだろう。
薄汚い笑みを浮かべた男たちが狙いを定めるように私たちを見ていた。
…あんな奴らがローに敵うわけないのに。
「カラ、お前はなるべく船にいろ。」
『え?私?』
「あぁ。ベポとお前は必要がなければ出歩くな。
どうしても必要な時は俺に必ず言え。」
『?わかった。…でも、、、どうして?』
「…どうしてもだ。」
それきりローは口を開くことはなく、私の隣にピッタリとくっついたまま街に向けて足を進めた。