第7章 白波
運動初日からまた数日が経った頃。
痛みはほとんど出なくなって、ローからもほぼ回復していると言われた。
落ちた筋肉も戻り、随分身体が軽く感じる。
「カラ、久々に、、、やらねぇか。」
『うん。私もしたいと思ってた。』
ローが私の分の木刀を持ってこちらにやって来た。
手合わせはかなり久々だ。
「…俺はお前を殺すつもりで行く。
だからお前も覇気でもなんでも使って本気で来い。」
『わかった。
なら、ローも能力使って本気で来てね?』
「勿論だ。」
私はひょいと投げられた木刀を受け取り、構える。
…本気で勝負をするのは久々だ。
おじさまと離れて以来、、、か。
看板の奥で空樽がガラガラと音を立てる。
ガラガラ…ガラ、、、、ゴト
ー『っ』
「!」
ガン!!!
音が止まったと同時に私はローに思いっきり斬りかかる。
惜しくもローの顔ぎりぎりで止められてしまうが、それだけで終わるつもりはない。
「…チッ!」
弾かれると同時に真横に剣を振るうロー。
…危ない。想像以上に速くて少し髪を掠った。
しゃがんだ私は片手をつき、右足でローの足を払う。
「Roomーシャンブルズ!」
『っ、』
「インジェクションショット!」
私の背後に瞬間移動したローは正確に私の喉元を突いてくる。
…見聞色を発動させてなかったら首に風穴開いてた。
『朱黒鳥ー濡れ羽色』
「!シャンブルズ!!」
ーバキ!
濡れた鳥の羽が落ちるように、一瞬で沢山の攻撃を仕掛けたが、目の前にはボロボロになった空樽。
…瞬間移動はやっぱり厄介だ。
「メス、」
ガッ!
「…クソッ」
背後から心臓めがけて殺気が飛ぶ。
私は片手に覇気を纏わせ、その手を受けた。
『黒鷹ー乱』
「グッ」
武装した刀で容赦なくローを打つ。
…一度射程に入ったのなら、もう逃さない。