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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第7章 白波


「…ふぅ。」




キリのいいところまで読み終えた本を閉じ、先程のカラの様子を思い返す。



運動の許可を出すと、あいつは真っ先に刀を持って甲板へ駆けていった。
確か鷹の目のところに居た頃は毎日鍛錬してたんだったか。
そりゃ、久々の運動は嬉しかったんだろうな。





俺も鬼哭を持って甲板へ向かう。








「ペンギン!勝てはしねぇだろうが、2人なら一撃くらい入れれるんじゃねぇか!?」

「そうだな!やってやろうぜ!!」







そんな声が聞こえて甲板の様子を覗ける窓から顔を覗かせる。

ペンギンとシャチが2人でカラに挑むらしい。




…2人がかりなら一撃と言わずもう少し頑張って貰いたいものだが。









「よっしゃ、いくぞ!!」

『来い!』










そう声を上げると、3人は勢いよくぶつかり、勝負がつくのはあっという間だった。

もちろんカラの圧勝。

一撃どころか擦りもしない。







それから2人はカラに構え方やらなんやらを指導されていた。

俺はそれを見ながらカラの技術を盗む。









『…で、無理に力を入れると刃に負荷がかかって折れたりするから、そう言う時は腹を使って滑らせるの。』










2人は熱心に話を聞き、一通り教え終えると個人での鍛錬を始めた。

カラも同様、木刀をさっさと直し、愛刀を手に持つ。










俺はそのタイミングで扉を開けた。









「あ、キャプテン。」









ベポは鏡の前で何やらポーズを取っている。
それをチラリと一瞥して、久々に握る刀を嬉しそうに見つめるカラに声をかける。








「オイ。」

『わっ!びっくりした!!』







カラは肩をびくつかせてこちらを振り返る。
手元には艶やかな黒い刀身の刀。








「…近くで見るのは初めてだな。」

『そうね。ドラムじゃ大分離れてたから。』








見れば見るほど魅入られる黒。

光を通さないはずの黒だが、俺の目には鮮やかに見える。





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