第7章 白波
『新世界か…
私はあんまり行って欲しくないわ、、、』
【?なぜだ?】
『だって、中々会えなくなるじゃない。』
【…】
そんなに直ぐに会いにはいけないけど、やっぱり今も離れているのはこれからまた遠くに行ってしまうのは寂しいな、、、
【そうか。それなら新世界はもう少し後にしよう。】
『やった!
…おじさま、やっぱりイーストブルー、行ってみたらどうかしら。』
【…何故今更最弱の海なんぞ、、、】
『そんなこと言って、もしかしたら掘出し物、あるかもよ?
それに、海賊王だってイースト生まれだったはず。行くだけ行ってみたらどう?』
私はおじさまにそう伝える。
おじさまは少し考えて答えた。
【…確かに、言われてみればそうだな、、、
海賊王もイースト生まれだ。…ついでにあの処刑台でもまた眺めてくるか。】
『えー!私と一緒に行った時は見せてくれなかったのに?』
【子供が処刑台など見るものではない。】
『おじさまだって当時19でしょ?十分子供よ!』
【12だったお前はもっと子供だ。】
『むぅ、、、じゃあ、私が19になったら考えてくれる?』
【俺に勝てるようになれば考えてやる。】
『うわ!なにそれ!!行かせる気ないじゃん!』
【ふん。】
おじさまはそういう感じのことは全く教えてくれない。
だから私は人を殺すことは無いし、本当の意味での悲しみを知らない。
…それって、このままでいいのかな。
剣士として、知らないままでいいのかな、、、
【カラ】
『なに?』
【迷うな。お前はそのままで良い。
今までのお前の剣はなにも間違えていない。】
『おじさま…』
【誰も人を殺さぬお前の剣ならば、知る必要はない。】
『はい。』
おじさまは受話器越しの私の考えが読めたかのようにそう言い切った。
私は少し引っかかるものの、その言葉を飲み込んだ。