第2章 白い光
あの女も、D、か…
あいつを船に置いておく利点がまた増えた
Dが何なのかは知らねぇが、手元に置いておいて損はないだろう
それよりも…
『治せる、の?』
あの表情に現れていたのは、
戸惑い、そして驚き
その後の涙は、安堵、と言ったところか…
何度も絶望しただろう
この世の全てが敵に見えたこともあっただろう
俺はコラさんが居なければ、生きていこうとも思わなかった
あの女は鷹の目が救い上げたんだろう
あの女も、鷹の目が居なければ、早々に死んでいた筈だ
珀鉛、か
俺はもうどこにもない、白く美しい故郷の景色を、ふと、頭に浮かべた