• テキストサイズ

白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第2章 白い光


『え…』


─暫くその男の船に乗り、病を治せ。





…治る?

これが?

治療法なんて、探そうともされていないのに?



私は目の前の男を見上げた





「お前、名は。」

『カラ、、、パトラ・D・カラ…』




男は目を見開き、驚いたような、そんな顔をした





『…治、せる、の?』





私は男の驚きなんて、目に入らなかったように、そう、呟いた





「あぁ、治せる。」





男は、私の目をしっかりと見て、そう、答えた







視界が滲むのを感じた

初対面の男の前で2度も涙を見せるなんて、、、

そんなことを頭の隅で考えながら、私は俯き、涙を隠した





「落ち着いたらリビングへ来い。」






男はそれだけ言って、白熊を連れて部屋を出て行った





『ふっ………っ、……くっ!』






何度、絶望しただろう



何度、アザを斬りつけただろう




何度、諦めかけただろう





罵声を浴びせられるたびに、世界中が敵に見えた



生きていてはいけないと、みんなから言われている気がした





病も、この身に流れる血も、、、




誰も望んではいなかった









自由に生きることなど、許されないと思っていた








いつも海に憧れていた

自由で、広い海







海に夢を見た







色んな島を見て回って、色んな人種と出会って、文化に触れて、






世界中を見て回りたかった








その夢が、今、夢じゃなくなる





探しに行ける









私は溢れる感情を涙に変えて、胸に抱いた麻袋を強く掻き抱いた
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp