第7章 白波
ガチャ
「ぁ、」
キャプテン。
そう言おうとしたが、うまく声が出なかった。
俺はいつもカラがやってくれていた洗濯物を干しているところだった。
「カラの目が覚めた。お前に会いたがってる。」
「!」
「待て。」
俺はカラの目が覚めたと聞いた瞬間、カラの眠る部屋へと行こうと駆け出したが、キャプテンの手によって憚られた。
「…目覚めたのは本当にさっきだ。
慌てるな。落ち着いて入れ。
カラはまだ喋れない。
絶対に無理はさせるなよ。」
そう言ってキャプテンは扉の前から避けた。
俺はキャプテンの言った通り、はやる気持ちを抑えながら、歩いて医務室へ向かう。
「ふぅ。」
コンコンコン
「カラ、ペンギンだ。入るよ。」