第7章 白波
…カラの様子をモニターで見ながら、ここ数日の船の様子を思い出す。
ペンギンは体調は取り戻したものの、気持ちはかなり落ち込んでいてよくミスをする。
ベポは狂ったように航海術の本を読み漁り、ひたすらに勉強を続けた。
そして何より、キャプテンが五徹という最高記録を更新し、その後も椅子に座って数時間眠り、また本を開くという日々。
みんな自分が許せなくて、それぞれの方法で取り戻そうと躍起になっていた。
その中でも俺は割と普段のように生活をしている。
だって、俺がもしカラなら、誰も悪くなかったあの状況を終えてみんなが自分を責めて無理してるって知ったら絶対嫌だ。
とはいいつつ、俺も最近は部屋でいつもより筋トレとかしてるけど、これはカラとペンギンがあんなことになったからというよりは普通に鍛えてるだけだ。
ここは誤解しないで頂きたい。
キャプテンはやっと今日寝たけど、多分明日からはまたしばらく寝るつもりはないんだろう。
ペンギンもベポも恐らく俺が何を言っても根本のところは変わらない。
なぁ、カラ、早く起きてくれよ。
みんな心配してる。
俺は胸の中でそう願うけれど、ピッタリと閉ざされた瞼が動くことはなかった。