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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第7章 白波


「んぁ、、、あれ、俺…」

「ペンギン!ペンギン!!
わぁぁん!ごめん!ごめんよ!ペンギン!!」

「え、うおっ!ちょ、オイ!ベポ!!鼻水!!!」

「目が覚めた!よかったよぉぉ!!」

「あぁもう!なんだってんだ!一回離れろこの野郎!!」



ったく。
起きたと思えばいきなり…なんなんだ。

えっと、確か、、、カラと話してて、そしたら嵐が来て…





「!」





そうだ、俺…







「…起きたか。」

「キャプテン…」

「…覚えてるか?」


キャプテンは鼻水だらけのベポを部屋から追い出し、ベッドの脇の椅子に足を組んで座った。
今日もまた一段とクマがひどい。




「俺、船の操作してたら急に突風が吹いて、船の張りに手をついたらそのまま滑って海に…」




そのまま水を飲んで上も下もわからなくなってそれで…

そこで記憶は途切れてる。

とにかく苦しくて堪らなかった記憶しかない。






「…シャチが助けてくれたんですか?」






キャプテンは能力者だし、ベポは船を離れられない筈だ。
シャチにはまた世話になった。






「いや、お前を引き揚げたのはカラだ。
お前が落ちたのに気づいたのもな。」

「え、」

「カラはまだ眠ってる。
命に別状はないが、重症だ。
お前もまだ完全に回復したわけじゃねぇ。今日1日は大人しく寝てろ。」

「…カラが引き揚げたって、、泳いだんすか…」

「あぁ。
…悪かった。俺の失態だ。
…お前は回復に専念しろ。
カラのことは心配するな。全力を尽くす。」

「え、ちょっと待ってくださいよ!キャプテン!!」

「…寝てろ。」






ガチャ








「…なんで、、、」





キャプテンはそれだけ言って部屋を出て行った。





「…なんでそんな、突き放すような言い方するんですか…」





キャプテンが強いのも、頭が良いのも知ってる。
完璧主義者で、自分の力不足なんかは絶対に許さないストイックさ。
確かにそれはキャプテンのカッコいい所だ。

でも、




「俺にも、いや、俺たちにも、謝らせて下さいよ…」





誰より優しいキャプテン。
何かあれば全て自分のせいにする。
俺たち、仲間なんだ。

一緒に失敗背負うくらい、させて下さいよ。
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