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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第6章 白銀【2】


パチッ


目が覚めると、身支度を終え、いつものコートに身を包んだローがいた。
ローは私が起きていることに気づくと、そっと近くに寄ってきて、身体を起こしてくれた。



「…起きたのか。正直、起こす気はなかったんだが、、、気分はどうだ?」

『目が覚めたの。頭もスッキリしてるし、良い気分。』

「ならいい。」




ーガチャ




「おや、起きてたのかい。病人のくせして随分と早起きだね。
まだ夜明け前だというのに。」

『いつも日の出の時刻に合わせて勝手に目が覚めるの。』

「ヒッヒッ、健康的で何よりさ。…まぁ、そこの小僧は一睡もしてないようだが?」





ドクトリーヌはニヤリと笑ってローを見る。
ローはジトリとした目をドクトリーヌに向ける。





『えっ!?ロー寝てないの!?』

「…」

「因みに、昨日も寝ていなかったようだよ。」

『二徹!?』

「…だからどうした。これくらいならまだ大丈夫だ。
自分の体調管理くらいできる。」

『ロー、、、もしかして、私のこと診てたから?』




私はローを見上げた。
ローは私から視線を外して答える。




「別にそうじゃねぇ。ババァから借りた本を消化しねぇといけなかったからだ。」

『でも、ちゃんと寝ないと、、、体によくないよ。』

「…例え俺が体調崩しても俺は自分で治せる。問題ない。」

『そういう問題じゃなくて、、、』





ローはもう話すことはない、と言いたげに私から距離を取る。
いくらローが医者で、いくら本が貴重でも、もっと自分の身体に気を遣ってほしい。

…そんなんだからいつまで経っても目の下の隈が治らないんだよ。

私は胸の中で小さくローに悪態をついた、






「…本、助かった。」

「全部読んだのかい?」

「あぁ。興味深い内容ばかりだった。礼を言う。」

「ヒッヒッ、まさか本当に全部読むとは、、、アンタも随分入れ込んでるねぇ。」

「あ?」

「ヒッヒッヒ、まぁいいさ。
どうだい、小僧に小娘、せっかく早起きしたんだ。イイモン見て行かないかい?」

『いいもの?』

「あぁ、この気候ならではの景色さ。
今日は天気がいいから運が良ければ観られるだろう。」




ドクトリーヌはそう言って私にコートを投げて寄越した。
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