第6章 白銀【2】
『ん、、、』
込み上げてきた欠伸を噛み殺し、時計をふと見る。
気がつくと3時間も本に没頭してしまったようだ。
時計の針は既にてっぺんを超えている。
そろそろ寝ないと明日に響くと思い、布団に入る。
ローの方へ視線を向けると、ローはさっきとは違う本を読んでいた。
ローの傍に大量に積み重なった本が見える。
内容も難しいだろうそれをあれだけのペースで読むロー。
その頭脳に愕然とした。
集中しているところ悪いと思いながらも声をかける。
『ロー、まだ寝ないの?』
ローはこちらに一度視線を向けた後、時計を見る。
「…こんな時間か。……俺はまだ起きてる。
お前は、、、寝るのか。」
『えぇ。眠たくなっちゃった。』
「眠いなら寝ろ。別に明日のことは考えなくてもいい。
起きなかったら運んでやる。」
『いえ、大丈夫よ。起きるわ。』
「…そうか。」
ローはそれだけ言って、私に背を向けて再び本に目を向けた。
『ありがとう。…おやすみなさい、ロー。』
「あぁ、おやすみ。」
私は目を閉じるとあっという間に意識を手放した。