第6章 白銀【2】
それから私とシャチとベポは、私のいない船のご飯は最悪だったとか、ローのいない麻雀大会ではみんな五分五分でいい勝負だったこと、いつか私とやりたいというチェスを3人で練習していることなど、他愛もない話を沢山した。
久しぶりの賑やかな雰囲気で、船が恋しくて、早く船に戻りたいと思った。
「オイ、お前らそろそろ帰れ。
出港の用意をペンギンだけにやらせるつもりか?」
「あー、もうこんな時間か。
流石にそろそろ帰らねぇとやばいな。」
『本当だ。…2人とも、また明日ね。』
「うん!また明日!おやすみ〜カラ」
『えぇ、おやすみ。』
ベポとシャチはそう言って船へと帰った。
2人が居なくなると一気に静かになった。
「悪いな、うるさくて。」
『ううん。楽しかったわ。』
「そうか。」
ローはそれだけ言って、分厚くて難しそうな本を手に取り、読み始めた。
私も手元にあった本を読み、睡魔がやってくるのを待った。