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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第6章 白銀【2】



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『ロー、私前に言ったじゃない。
病のことについてはもう、謝らないでって。』



あぁ、覚えている。確かにお前はそう言った。



『私の何を奪っても、私の命を延命するだけでそれは達成されるはず。
貴方はここまで私の病に左右されることはないわ。』



その通りだ。わかっている。
だが、許せなかった。
俺のせいでお前の大切なものを奪っていたかもしれない。
そんな自分が、許せなかったんだ。



『航路のことだってそうよ。
私は道すがら治療するだけで良い。
船を強化しないとそれができないのであれば、普通通り進んで強化すれば良い。
その途中で私が死んでも構わないわ。』



そんなこと、俺がさせない。絶対に拍鉛病では死なせない。



『ロー、ごめんなさい。
私が、私の病が、貴方の医者としての部分を縛ってる。
貴方は海賊。誰よりも自由なはずよ。
私の病なんて背負わなくて良いから、自由に進んでほしい。
…診てもらってる身でこんなこと言って、申し訳ないけど、、本心よ。』




違う。俺は縛られてない。俺が医者だろうが、海賊だろうが関係ない。
鷹の目に提案を持ち掛けたのも、お前を船に乗せたのも、必ず治すと決めたことも、俺だ。




『…だから、謝らないで。
……背負わないで。』




そんな目をするな。
俺は、背負ってなんかいない。





「俺が、、、俺が、どこへ向かおうと、誰を診ようと、俺の自由だ。」







俺は、自由だ。

もう2度と、何にも縛られないと決めたあの日から、俺はずっと自由だ。














例え拍鉛病だろうと、俺は縛られない。













あの男にも、屈しない。











あの人の本懐を遂げると決めたのも、俺だ。











あの人の背中に縛られているわけでもない。












俺はずっと、自由だ。






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