第6章 白銀【2】
キラッ
海の中に、光?
とっても小さい。
何かな?あれ。
キラキラと光る何かは、こちらに近づいてきた。
丁度手が届くくらいにそれが来た。
私は手を伸ばしてそれに触れようとする。
ん?
その光に手が届く前、わたしの指に何かが絡まる。
手を引き寄せると、細い鎖が指に絡んで、それに繋がる小さな光もこちらにやってくる。
こちらにやってくる小さな光。
それを捕まえた。
あれ?暖かい。
光を掴んだと思っていたが、そこにあったのは、硬くて大きな、安心する優しい手。
おじさまの掌だった。
そのままぐいっと引き寄せられて、冷たい海の中でも、暖かい体温に包まれる。
どんどんと浮上しているのを肌で感じる。
私はその手に身を任せ、ただただ引かれるがまま、上に向かう。
あれ、でも、どうしてだろう?
おじさまの顔が見えない