第6章 白銀【2】
ザザーン………パシャ
?
ここは?
船の上?
後ろを向いて、ふと周りを確認すると、ハットを深く被ったおじさまの姿。
目元は見えないが、眠ってはいないだろう。
そうだ。おじさまと海に出たんだ。
さっきはまるで、雲の中にいるみたいに真っ白な夢を見てた。
なんだかすごく綺麗な歌の夢だったのだけど、、、どんな歌だったっけ?
…忘れちゃった。
今の視界は見渡す限りの青。
海の青と空の青。2つの青がぶつかるところは、なんだか白っぽく見える。
どうしてなのかな?
チャリ…
???
なんだっけ?このペンダント。
十字架?
首から1度外してしっかりとそれを眺める。
銀で縁取られた黒い十字架。真ん中と端にキラキラ輝く小さな石が埋め込まれていて、短めの銀のチェーンに繋がっている。
グラッ
あっ
ポチャン
落ちちゃった
ドボン!
あれ?どうして目が開けられないの?
あれ?どうして息ができないの?
あれ?私、なんで海の中にいるの?
落ちちゃった、
そう思った時には、体が海に引き寄せられるように落ちていった。
自分から飛び込んだように、抵抗することもなく、自然に、
体は水面から離れて行くと言うのに、息ができなくて苦しいと言うのに、すごく落ち着いている。
だめだよ。
グランドラインの海は危ないんだよ?
海は舐めちゃいけないんだよ?
・・
また、おじさんに怒られるよ?
また?
私は前にも海に落ちたの?
ねぇ、そんなことより、早く上がらないと、、、
しんじゃうよ?