第6章 白銀【2】
『っは、、はっ、、、、うっ、』
目に見えてわかるほどに、11:24を過ぎるとカラは苦しみ始めた。
熱はさらに上がり、バイタルも安定しない。
俺は冷たく冷やしたタオルで汗を拭ってやる。
呼吸は短い感覚だが、サチュレーションは下がってない。
まだ呼吸器はつけなくても大丈夫なはずだ。
このヤマさえ越えれば、あとは過度な運動を避ければ勝手に肺の組織も修復される。
この炎症さえ治れば、色々と手が出せる。
俺は昔の苦しみを思い出し、顔を背け、逃げ出したくなるのをなんとか堪えながら、何食わぬ顔をしてカラの顔を見つめ続けた。