第6章 白銀【2】
私の1番古い記憶は、、、暖かくて柔らかい、誰かの腕の中。
白くて細い、それでいて大きな優しさと愛に溢れた腕。
歌詞は思い出せないけれど、いつも夢で見るのは同じメロディ。
透き通るような美しい声で歌う貴方は、誰なのだろうか?
「〜♪、〜〜〜♪」
嗚呼、気持ちがいい。
心地がいい。
そう、私はこの歌を知っている。
確か、最後のフレーズは、、、
「『あなたはわたしのたから。どうかしあわせに』」
気持ちいいな。
ずっとここに居たいな。
嗚呼、でも、だめだ。抗えない。
心地よくて仕方がなくて、眠たくなって、、、目を閉じて、暗くなっていくのがどうしても止められないの、、、、、
あれ?
どうしてだろう。冷たいよ?
さっきのふわふわしたところじゃない。
硬くて冷たい。
どうして?
「あなたはわたしのたから。」
あ、あの歌の言葉だ。
でも、、何故だろう。今はその歌の続きがどうしても聴きたくない。
「どうか」
やだ。
やめて。
「しあわせに。」
やめて!!!