第6章 白銀【2】
「ほら小僧。」
「!」
バサバサバサッ!
急に帰ってきたと思ったら、ババァは大量の本を放ってきた。
驚きのあまり声を出すのも忘れ、ババァの顔を見つめる。
「見ての通り医学書だ。
3日なら読めてせいぜいそれくらいだろう。ほとんどが内科的な内容さ。外科的なことはお前の専門だろう?
その辺りは自分でどうにかするんだね。」
俺は改めてババァの寄越した本の表紙を見る。
…確かに、どれも興味深く、俺の知識の薄い分野ばかりだ。
それに、これだけの数の医学書。
一冊の厚さもかなりあるそれらを3日で、か。
普通の医者ならこの半分が限界だろう。
例え全て読めたとしても知識として吸収するのは無理だ。
…面白い
やってやろうじゃねぇか。
全て頭に叩き込んでやる。
「…十分だ。礼を言う。」
「ふん」
俺は早速1冊目を手に取り、文字に目を走らせた。