第2章 白い光
「…珀鉛病か。」
「知っているのか。」
鷹の目は女を気絶させ、横にあったソファに横たえた
突然何の用かと思えば、この女の珀鉛病を治して欲しい、と
要はそう言うことだろう
「…何故、生きている。」
今の一番の疑問はそこだ
この女は見た所16かそこら…
フレバンスが滅んだのは8年も前の事だ
発病するタイミングも遅すぎる
「カラはフレバンスの国民ではない。」
「…」
「この腹の傷を負った時、フレバンスの医者が治療した。その時に珀鉛で作られた糸で縫合した。」
「…それは何年前だ。」
「…13年ほど前だな。」
「発病したのは?」
「2年前だ。」
フレバンスで使われていた医療器具は、全て珀鉛が使われていた
糸はかなりの濃縮度だった筈だ
その他の器具にも触れたことも原因の一つだろう
「治せる、か?」
鷹の目は俺に背を向け、ソファに寝かせた女に自分のコートを掛けながら、聞いてきた
「…結論から言えば、、、治せる。」
「………そうか。」
鷹の目は酷く安心したような、そんな声で小さく呟いた
「…対価は、、、金か、誰かの首か、何を支払えばいい。」
「いや待て、まだ俺は治すとも言ってねえ。
今から治療を始めて数日で完治するようなものじゃねぇ上に、この船にはそもそも医療器具が足りなさすぎる。」
「ならばこの娘をこの船に置いてくれ。」
「…また面倒なことを。」
「不利益だけではない筈だ。コイツは戦闘力ならお前よりも上だろう。
必ず役に立つ。」
「…」
確かに、この女は俺より強いだろう
先程、船の上で感じた悪寒がそれを裏付けている
だが、だからこそ問題だ
クルー達に何かあったからでは遅い
「お前が心配しているようなことは起こらない。この娘は俺の言うことは必ず守る。」
「どうだか…」
「…頼む。こいつの病を治してくれ。」
「…」
病を治すことに抵抗はない
俺は医者だ
それに…珀鉛病ならば、治さない理由はない
あの病は治るものだったと、もう証明する相手もいないが、そう、証明したい
これは俺の野望の内だ
…王下七武海か、、、
ならば…