第5章 白銀
「さぁ、オペも終わった。この小娘はまぁウチで預かるとして、、、小僧。お前はどうする?」
ドクトリーヌが気分を変えるようにそう言う。
…バケモノ呼ばわりされないと分かったものの、、できればローも一緒にいてほしい…
そんな我儘な気持ちが出てしまう。
「…一度船に戻ってコイツの荷物取ってくる。
それからは俺もここに泊まる。」
「ウチにゃ布団は2組しかない。お前は床だがそれでもいいかい?
別に、船に居てもいいよ。なんかあれば連絡くらいしてやるさ。」
「それはできねぇ相談だ。コイツは俺の患者だ。寝る場所はその辺で適当に寝るから気にするな。」
『ロー、、、』
一緒に居てくれるのは嬉しいけど、床にローを寝かせるのは気が引ける。
それに、ローは昨日から城に潜入してオペまでしてる。
せめて今日だけでもしっかり寝てほしい。
「ヒッヒッヒ、そうかい。なら勝手にしな。」
『でも、ロー、オペもして疲れてるでしょ?
今日は船で寝たら?』
「うるせぇ。病人はさっさと寝ろ。昨日も寝てないんだ。」
ローはぶっきらぼうに言って、私の目を大きな手で覆った。
あれ?
ローにはまだ話したいこと、あったのに、、、
視界が暗くなった途端、ねむく、、、、、
私はそのまま落ちるように眠ってしまった。
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「オペオペの実、術者が医者なら確かに神のようなオペまで可能。究極の悪魔の実とはよく言ったものだね。」
「…」
「ヒッヒ、…それに、この小娘、名を聞いて思い出した。
直接会ったことはないが、昔依頼を受けたことがあるね。」
「…?」
「この娘、鷹の目のとこのだろう?」
「!」
ババァはニヤニヤと笑いながらそう言う。
「なに、何年か前にね、電伝虫からの依頼だった。」
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ーー
ー
ーぷるぷるぷる
ーーぷるぷるぷる
がちゃ
「Dr.くれはの番号で相違ないか。」
「小僧、誰だい。何故この番号を知ってる」
「政府の情報を盗んだ。昔一度だけこの番号からの発信があったらしくてな。」
政府だと?
…あぁ、拍鉛の研究の時か。
見返りの金が莫大だった上、手元にある拍鉛製のメスも気になっていたので二つ返事で了承したやつだ。
…今なら政府の要請なんざ、いくら金を積まれてもしないがね。