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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第5章 白銀


ローは丁度開いていた本から、かなり黄ばんだ紙の束を取り出して続ける。


「さっき詳しく読んでいたが、、、拍鉛が毒だと解明したのはあのババァだった。
この論文が書かれた時期的にもそれは間違い無いだろう。
これには拍鉛の成分分析から人体との反応までの全てが書かれている。
俺も知らなかったことも多々あった。」

『それじゃあ、』

「あぁ。あのババァは拍鉛病が中毒であることは百も承知だ。
だから、大丈夫だ。」



ローはそう言って、ひとつ息を吐く。



「…勝手に話を進めて悪いとは思うが、俺はお前が不利になることは絶対にしない。
それに、この船に乗っている限りは不当な扱いは受けさせねぇ。
…誰にもだ。」



ローは私の目を見て強く、そう言ってくれた。
…クルーでもないのに、そんな風に言ってくれるのが嬉しくて、涙が溢れそうなのを必死に堪えた。



「…あまり時間がない。オペの説明もしておく。
まずは俺の能力を使って、肺の中にある拍鉛だけを取り除く。
それ自体には痛みも伴わない上、麻酔も必要ない。時間も、そうだな、、、30分もあれば十分だろう。」

『…』

「どうしても覚醒状態のオペが怖いなら麻酔をしても良いが、、、
麻酔するのにも身体に負担がかかる。おすすめはしないな。」

『それなら、しなくて良いわ。任せる。』




医学のことは正直よくわからないので何も言えない。
ローの能力は瞬間移動とかしか見たことがないし、わからないことの方が多い。



「わかった。
ただ、実際にお前が辛いのは術後だ。
物理的に拍鉛を抜くから、当然その部分は穴が開く。それを修復するのにはかなりの痛みが伴うだろう。
肺だからな、、、息苦しさもあるかもしれねぇ。
こればっかりは個人差があるからな、出来るだけ抑えるようにはするが、、、」

『…大丈夫。』



痛いのなら、ずっと耐えてきた。



「免疫も落ちるだろうから、それによる不調もあり得る。
…だから、術後の完璧なケアのできる環境が必要だった。
最低3日は安静に、1週間は油断ができない。正直、1週間は設備のある所での療養が理想だ。
だが、そうも言ってられない。」

『いえ、十分よ。
…こちらこそ、こんなに良くしてもらってありがとう。
迷惑かけてごめんなさい。
…オペ、よろしくね。』
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