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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第5章 白銀


『ん、、』

「起きたか。」



目を覚ますとそこは自分の部屋で、ローがベッドの横の椅子に座って何かの本を読んでいた。
太陽がすっかり昇っていて、窓から差し込む光が少し眩しい。
少しぼーっとする頭で何をしていたのか思い出す。



『あ!ロー、私……ごめんなさい。』



そうだ。医者だと言うドクトリーヌに拍鉛病だとバレて混乱して倒れたんだ。



「…謝るな。お前は悪くない。」



ローはそう言って、真剣な顔を私に向けた。



「…カラ、話がある。拍鉛病のことだ。」

『…なに?』



ドキリと心臓が嫌な音を立てるが、冷静なフリをして、先を促す。
身体中から汗が噴き出るような、変な感覚に陥る。



「診察をする度に、心肺機能に異常がないか聞いていたの、覚えているか?」

『えぇ。』

「今、お前の体内には広い範囲で拍鉛が散らばっている。皮膚上の目に見える部分のようにな。」

『…』

「その中でも、肺に転移してる奴がデカイ上に、肺は重篤化すると面倒な器官だ。
俺としては早くそいつを取ってしまいたい。」

『…でも、この船じゃまだ何もできないっていったなかった?』

「あぁそうだ。だから、あのババァのオペ室を借りる。」

『っ!待って!!』



ババァって、、ドクトリーヌのことよね?
でも、あの人は私を診たことがあるかもしれない。

私はキツくシーツを握りしめ、1度無理矢理心を落ち着けようとした。



「カラ、、、大丈夫だ。
あのババァは、お前を化け物呼ばわりするような医者とは違う。」

『…でも、、あの人は私の病気に見覚えがあるかもしれないって言ったの。
正直、忘れようとしてたから、私も正確にはわからないけど、、拍鉛病の人はみんな殺されたから、あの人に本当に見覚えがあるなら、それはきっと私だと思う。
わ、私を診た医者はみんな、私を殺そうとしたから。
っ、だから、あの人も、以前私を、殺そうと、したことがあるんだろうな、って思って、、、それで、、』



背中を嫌な汗が伝う。
それでも、ローは私がもたもたと歯切れ悪く話すのも、口を挟まず、最後までじっと聞いてくれていた。


「カラ、そうじゃない。あのババァは拍鉛の加工品の研究の経験があっただけだ。お前との面識はない。」

『え、』

「これがあのババァの書いた論文だ。」
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