第5章 白銀
ロー達はロープウェーの中の椅子の下に隠れていた。
(狭い)
(仕方ないですよ、キャプテン背高いんですから!)
(まじ遅ぇな〜俺ももう腰痛い)
(オイ、ペンギンもう少し縮め)
(無理ですよ)
(あ、キャプテン、アレ城の地図じゃないですか?)
シャチが指差す男を見ると、その男のポケットの中には確かに間取り図のような紙がチラリと見える。
ローは何も言わずに目の前にあったシャチの髪を一本抜いた。
「痛っ!」
(うるせぇよ)
(いや!今のキャプテンが悪くないすか!!)
「オイ、今誰かなんか言ったか?」
(!)やべ、、、
「いや、俺じゃねぇよ。空耳じゃね?」
(Room、、シャンブルス)
ローは素知らぬ顔で抜いた髪の毛と男のポケットの中の紙を入れ替えた。
(フッ)
(なんでした?ソレ)
(でかしたシャチ、お前の読み通り間取り図だ。)
(…)
(助かった。礼を言う)
(…髪の毛剥げたらキャプテンが治してくださいよ)
理不尽な目に遭って拗ねていたシャチだが、ローの言葉ですぐに治ったよう。
どんなにローが無茶を言っても、彼らハートの海賊団は皆、ローに心酔し切っているのだ。
そんなことは大して気にしないローはロープウェーが頂上に着くまでの間にさっさと間取り図に目を通し、その内容を頭に叩き込んでいた。
ー頂上
(Roomーシャンブルス)
ローは能力でロープウェーから城内の空き部屋に瞬間移動した。
このままここで夜までの時間を過ごすつもりだ。
「あーやっと立てる。本当に狭かった〜」
「俺もう腰限界」
「帰りは荷物もあるからな。ロープウェーを1つ拝借しよう。」
「やった!」
「深夜までここでやり過ごす。お前らもそれまでにコレ見て、書庫と備品部屋の位置だけでも覚えておけ。」
「「アイアイ!」」
そう言ってローはソファに寝転がり、帽子を顔に伏せた。