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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第5章 白銀


ベポとカラがせっせとカマクラ作りに精を出す中、ロー達は順調に情報を集めていた。



「へぇ〜、本当にあの山の上にある城が王宮なのか〜」

「ロープウェーで行き来するなんて、洒落てんな〜」



シャチとペンギンが適当に相槌を打つ。



「いやいや兄ちゃん達!洒落てるなんてもんじゃないよ!!
アレ漕ぐのめちゃくちゃ大変なんだよ!!」

「面倒ったらありゃしない!」

「遅かったら怒られるしよ!」



ロー達は王国の守備隊で今日は非番だという3人の男達を酒場に誘い、酒を飲ませて情報を吐かせていた。
ローは男達の口の軽さに半ば呆れている。



(シャチもペンギンもベポも、酒を飲めば酔って面倒だ。
しかし…この男共のように自分の組織の情報をベラベラ喋ることはしないだろう、、、
そう考えるとアイツらの酔い方はまだマシな方なのか?)



ローはチラリとペンギンとシャチを見て、何かの合図を送った。



「でもさ、おじさん達超強そうじゃん!
もしかして守備隊の幹部だったりするの!?」

「いやいや、俺たちなんてそんな、、、」

「あぁ!戦力ではやはりワポル様が圧倒的だ!守備隊ではないがな!!」

「えぇ!誰?それ。」

「この国の王さ!バクバクの実をお食べになられた方だ!」



能力者…
悪魔の実の名前に反応したローはさらに追求するように再び2人に視線を送る。



「バクバクの実?」

「あぁ!俺はまだ直で見たことはないが、刀でも大砲でも建物でもなんでもお食べになるらしい。」

(…世の中には随分と妙な実もあるものだ。それにしても、なんか利益あんのか?その能力。)

「王も強いが、側近のお二方もお強いぞ!
チェス様とクロマーリモ様!」

(…なんだそのふざけた名は)

「へぇ!もっと聞かせてくれよ!!」

「勿論だ!この前なんてよぉ!…」




男達はそれから自分の組織の上層部がいかに強いのか、その能力や姿など事細かに語って、気持ちよさそうに酔い潰れた。




「キャプテン、どうです?」

「俺たち結構引き出せたでしょう?」

「あぁ。よくやった。
十分だ。今夜実行する。今からロープウェーに忍び込み、城の何処かで身を隠して深夜を待つ。
城内が静かになったら動く。」

「「アイアイ!!」」




酒場から去った長身の男の口元はニヤリと弧を描いていた。
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