• テキストサイズ

白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第5章 白銀


液体が全てなくなると、ローはいつものように針を抜き、テープを貼る。



『ありがとう。』

「あぁ。」



私はカチャカチャと注射器を片付けるローに、恐る恐る話しかける。



『あ、あの、ロー。
報告、というか、、、ちょっと、話があって、、』

「どうした。」



ローは手を止め、私の目を真っ直ぐ見る。
私は医者の目になったローを見て、少し後退り、思わず視線を外した。



『あの、アザが、広がってきてて、、』

「診せろ。」

『あっ!』



ローは私の言葉を聞くとすぐに私の服をまくった。
外気にひんやりと当てられ、体が思わず強張る。



ガターーーバタン


しばらく真剣な顔でアザを眺めていたローは突然立ち上がり、部屋から出て行ってしまった。

私は部屋にある鏡で背中のアザを見る。
確かに腰から肩の少し下まで広がってきている。
あまり背中は見ないから進行が思ったより早くて驚いた。


ガチャ


その広がり方にショックを受けていると、ローがノートを持って部屋に帰ってきた。
私は慌てて服を下ろす。



「…痛みは?」

『今日の朝少し。』

「寝ていた時か?」

『いいえ、ロー達が島に出る前に着替えた時に。』

「…すぐ言えよ。」

『…言い出すのには少し勇気がいるのよ。』



ローはサラサラとノートに何かを書きつける。



「…もう五分経つか。ベッドに寝ろ。」



私は言われるがまま、横になる。



「診るぞ。」

『っ、』



服を再び捲られ、キュッと目を閉じる。
胸元にタオルケットをかけられ、私はそれをギュッと握りしめ、ただ耐える。

痛む訳でも、苦しい訳でもないが、醜いアザを見られているというなんとも言えない感情と、羞恥が混じり、目を背けずにはいられなかった。



「…確かに、増えてるな。」



ローはポツリと呟く。



「…服脱いで診せろ。」

『っ、え?』

「すぐ終わらせる。だから、脱げ。」



私は一瞬理解できなくてフリーズした。
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp