第5章 白銀
ガチャ
「あ、キャプテン。」
『ペンギン、もう大丈夫?』
「あ、あぁ。…さっきはすまねぇ。」
『ふふ、なんで謝るの?』
「あ、いや、、、」
「それよりさ、ベポ遅くね?俺もう腹減った。」
「…確かに、遅いな。
カラ、そんなに買い物多かったのか?」
『いいえ、前はそんなに長い航海じゃなかったから多くは頼んでないとは思うんだけど、、、
…あ!帰って来た!!』
「え?」
ガチャ
「ただいま〜ごめんよ!遅くなって!!」
『ううん、大丈夫。お使いありがとう。』
「わぁっ!シチューだ!!美味しそう!」
『ふふ、じゃああったかいうちに食べましょう。』
私はシチューをお皿によそって、みんながテーブルに並べる。
口に入れると体の中からじんわりと広がる暖かさ。
「ん〜!美味しい!」
『よかった。』
「…オイ、お前、なんでさっき扉が開く前にベポが帰って来たのわかったんだ。」
ローに同調するように、シャチとペンギンが大きく頷く。
『覇気よ。見聞色。ベポの気配が近くにしたから。』
「あぁ、、、そうか。」
「へぇ、便利だな。敵船にもすぐ気づけるじゃん。」
『…でも、私のはそんなに広い範囲で使えるほど精度は高くないから、それはできないかな。
船に乗って来てやっと分かるくらい。』
「なるほどな。」
ロー達は納得したように再びシチューに手をつけた。
『で、街はどうだった?』
「あぁ。思ったより治安は悪くねぇ。医療体制だけがクソだがな。」
「街には魔女みてぇな医者しかいないんだってよ。」
「魔女?」
『…年配なのかしらね。』
「街の店には期待できそうにない。
当初の予定通り、王宮から盗む。明日はもっと中心街まで行って、王宮についての情報を集める。
すぐに実行できそうなら明日の晩にやる。
…ベポ、ログはどれくらいで溜まる?」
「一週間って言ってた!」
「そうか。
…出来るなら明日実行する。
全員今日は早く寝ろ。ペンギンとシャチは特にな。
王宮へはお前ら2人を連れて行く。カラとベポは船番だ。」
「「「アイアイ!!」」」
『了解。』