第4章 白い道【2】
『なら、どうして霜焼けになるの?』
「原因としては急激な温度変化だ。温度変化は血流と密接に関係があり、霜焼けは体内でのそのバランスが崩れることで起こる。特に血流が悪い指先や足先などによくできるな。」
『へぇ。』
「それと、男より比較的血流の悪い女の方がなりやすいらしい。お前、冷え性か?」
『うーん、他の女性と関わったことが殆どなくて比べられないから、よくわからないけど、、、布団の中でも爪先とかは冷たいままのことが多いわ。』
「そうか。…よし、手は終わりだ。足は平気か?」
『足はブーツ履いてたから大丈夫。
…あの、ロー、痛くはないんだけど、、耳が痒くて、これも霜焼け?』
「ん、診るぞ。」
『えぇ。』
薬を塗って髪に触れられないカラに断って、艶やかな長い黒髪を耳から退けた。
そこには真っ赤になった耳。
「あぁ、そうだな。霜焼けになってる。」
俺は再び薬の蓋を開けてカラの耳に触れた。
『んっ、、、』
不意にカラから声が漏れる。
「悪い、痛むか?」
『い、いえ、大丈夫。少しくすぐったかっただけ!』
「そうか、」
俺はそのままもう片方の耳にも薬を塗った。
だんだんと耳の赤みが増しているような気がしたが、暖かい部屋に入って時間が経ったからだろう。
俺はカラの頬が真っ赤に染まっていることなど知ることもなく、薬を塗り終えた。