第4章 白い道【2】
カラはローの部屋から出ると暖かいリビングでローから借りた本を読んでいた。
『(へぇ、火傷って存外バカにできないんだ、、、)』
基本的な処置(主に切傷)はおじさまから教わっていたからかなり読みやすい。
どんどんと新しい知識が溜まっていく感覚が楽しくて、時間を忘れて読み耽っていた。
「カラ、カラ!!」
『っ!わっ!ベポ、、ごめんね、気づかなかった。どうしたの?』
「雪!雪降ってるよ!!もう少し積もってるから!早く行こう!!」
『えっ!本当!?』
私はバタバタとベポの後ろをついて行き、看板への扉を開けようとした。
「わーーー!!待て待て!カラ!」
『ん?どうしたの?シャチ』
「どうしたの?じゃねぇよ!そんな格好で出たら凍え死ぬぞ!!
ベポもちゃんと教えてやれよ!」
「ハッ!…気の利かないクマでスミマセン、、、」
『えぇ!?そんな、ベポ?大丈夫だよ?』
「あー、カラ、ベポは大丈夫だ。打たれ弱いだけだから。」
「打たれ弱いクマでスミマセン、、、」
シャチは大丈夫だと言うけれど、気の毒なくらい凹むベポ。
シャチが持ってきてくれたコートを羽織ってベポの所へ向かう。
『ベポ、ほら見て、私コート着たからもう寒くないわ。
私は雪のこと全く知らないから教えてくれる?』
ベポはその言葉を聞いて嬉しそうに目を輝かせた。
「うん!俺、いつもカラに教わってばっかりだから、教えてあげられることができて嬉しいんだ!
雪のことならなんでも聞いてね!」
『えぇ。ありがとう、ベポ。』
「よし!防寒もできたことだし、早速行こう!
…あ、雪は滑るから足元気をつけてね?」
ベポはそう言って扉を開け、私に手を差し伸べた。