• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第5章 君のため




ヒロは僕をかばってああ言ってくれたが、

松田の言うとおりだった。


僕たちがすぐに彼女のもとへ行けば、

”今日”は思い直してくれるかもしれない。

人気のないところを死に場所に選ぶ当たり、

他人に見られるのは本意ではないだろう。

僕が考えていたことは

その場しのぎにすぎなかった。




「よし!じゃぁ作戦会議だ。

俺と陣平ちゃんは…」


「そうだな、ゼロと諸伏は…」
















「ゼロ、やれるか?」


「あぁ、やってみせるさ」



僕とヒロは彼女のいる屋上へ向かっていた。

階段を上る足取りは、重い。


松田と萩原が彼女に気づかれないように

グラウンドから近づいていく。


屋上に繋がるドアは錆びついていて、

音を出さずに開けるのは苦労した。



「ヒロ、バレるなよ」

「分かってるって」



僕は彼女のところまで一直線に向かう。



「おい、君。死ぬのか?」






/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp