【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第4章 序の口
「まずは彼がバーボンとして乗り込んでくるか
それとも降谷零として乗り込んでくるかによって
話は変わってくるな…
俺はバーボンとしてこの家に来ると思っているが…
ボウヤはどう思う」
「僕は…公安の降谷さんとしてくると思うよ」
バーボンから個人的な恨みを買っている俺は
彼がひとりで乗り込んでくると踏んでいたが
どうやらボウヤは違うようだ。
「安室さんがここにくる目的は
赤井秀一を捕まえて組織に引き渡すこと。
一対一では安室さんに分が悪いんじゃない?」
ニヤリと笑うボウヤは何か言いたげだ。
「まぁ、そうかもしれないな…」
「それに、安室さんの計画には純粋に人手がいる。
今組織で赤井さんの死の偽装を疑っているのは
安室さんだけだし、“可能性”の段階で
奴らが協力するとは思えないよ。
そうなると、公安の力を使って赤井さん…いや、
ジョディ先生やキャメル捜査官も
巻き込んでくるかもね」
「なるほど…人質を取って俺を脅す気か。
まぁ、ある意味確実な方法だ」