• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第1章 点と点






「…け、競馬!?」




そよ香は思いもよらない結末に目を丸くした。



「先程ネットで少し調べてみたところ

今日は皐月賞と呼ばれるチャンピオンレースが

開催される日だとか。

毛利先生はいつも、タバコを吸いながら

片耳イヤホンで競馬のラジオを聞き、

さらにテレビでも生中継を視聴されます。

少額の賭けや、普通のレースなら

電話くらいはとってもらえますが、今日はどうやらそうではない。

ヤマが外れて沢山タバコを吸っているのかもしれませんね」



競馬と分かっていたら

まだ職場でやりたい仕事があったのに…

そよ香は、はぁ、とため息をつきながら

うなだれる。




「では、そよ香さんのお困りごとを

一つ解決したところでお願いが…」


「え、イヤです」



相変わらず安室はニコニコしているが、

そよ香はムスッとした顔で下から見上げる。



「僕、まだ何も言ってないじゃないですか」



安室は両手のひらをヒラヒラと胸の前でふる。


「どうせ、

今週の土曜日シフト変わってください

でしょ?」


「おぉ、見事な推理力。これは話が早い。

では、そういことで」




愛想のいいニコニコ顔から、

ニヤッとした意地悪な笑顔に変わる。









/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp