【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第1章 点と点
「ちょっと!まだ良いって言ってませんよ!?
それに、安室さん先週もそうだったじゃないですか!」
「そう言われましても、
そよ香さんしか代われる方がいないので…」
今度は勝ち誇ったような顔に変わる。
安室がここまで強気なのは他のバイトのシフトも
確認済みだからだろう。抜け目がない。
「…サンドイッチとチョコレートパフェ!
今日お昼食べそびれてお腹すいてたんです!
あと紅茶も冷めちゃったから
温め直してくださいね!
これ、安室さんのおごりですから!!」
語気を強めてまくし立てるそよ香。
「えぇ〜手厳しいなぁ」
「歳は安室はさんの方が上ですけど、
ポアロでは私の方が先輩ですからね!!
その辺、お忘れなく!!」
イライラをぶつけるように、
そよ香は乱暴にビジネスバッグから手帳を取り出す。
「はいはい、分かっていますよ。
琥珀色の…」
そよ香は安室の返事も聞かず、
手帳にポアロの予定を書き込んでいた。