【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第4章 序の口
「コナンくん!?大丈夫!?」
そよ香はコナンの背中をさすり
ティッシュで口元を拭いてやる。
コナンは耳まで真っ赤にして
再びグラスを手に取ると
ストローも使わずオレンジジュースを一気に流し込んだ。
「…ふふ。コナン君にはまだ早かったようですね」
沖矢はコナンをからかって言った。
「あっこれ新一君には内緒だからねっ!」
そよ香は慌てて口止めをする。
「わ…分かってるよ…
ところで、そよ香さんお仕事は?」
「しばらくお休みするよ。
ポアロもね。さっき安室さんと電話もしたし」
そよ香がそう言うと、
今まで和やかだったリビングに
ピリッと張り詰めた緊張感が走る。
沖矢は腕を組んで黙りこくった。
いつもの穏やかな笑顔は、ない。
「そよ香さんがここにいるって安室さんに話した?」
コナンの鬼気迫る表情にそよ香は戸惑う。
「話してないよ。だって何て説明したら良いか
分からなくて…どうしたの?」
「…そっか。そうだよね…」