【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第4章 序の口
「あ…あの有名なナイトバロンシリーズの作者
工藤優作と、伝説的大女優藤峰有希子、
そして東の名探偵工藤新一君の家!?!?
しかもコナン君が親戚…???」
まさしくここは華麗なる一族のお屋敷だったのだ。
「お金持ちの家だろうなとは思ってたけど…」
改めてリビングに飾ってある調度品を
キョロキョロ見回すそよ香だが、
チョコレートケーキを食べる手は止めない。
「ここ、新一君の家だったんだ…」
「新一“君”?そよ香さんは
優作さんのご子息ともお知り合いなんですか?」
沖矢が途中で口を挟む。
「あ、いや…会ったこともないんですけど、
蘭ちゃんが新一君のこと話してくれるから
なんだか知り合いみたいな感覚になっちゃいました」
「ら…蘭姉ちゃんって新一兄ちゃんのどんなこと話してるの?」
「んー、どんなことって言われても…
新一がね、新一がねって蘭ちゃんいっつも幸せそうに話すから
新一君のこと大好きなんだなっていうのは分かっ…」
「ブッッ!!ごほっ、ごほっ!!」
オレンジジュースを飲んでいたコナンが
盛大にむせる。