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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第4章 序の口




「私、ポアロっていう喫茶店でバイトもしてるんです。

しばらくお休みするって連絡してきます」



ぱたぱたとリビングを出て

ゲストルームにスマホを取りに行く。

そこには梓と安室からLINEや電話が数件入っていた。


とりあえずLINEで2人に

元気なこととしばらくバイトは休むと伝えた。


安室にLINEを送った瞬間、既読が付き電話がかかってくる。



「…もしもし?」

「そよ香さん!今どこにいるんですか?

梓さんから体調が悪そうだと聞いて

心配していたんですよ」

「あ…ごめんなさい。ちょっと風邪ひいちゃって…

家でずっと寝てました」

「家で…?」

「い、家で…」

「「……」」



居心地の悪い沈黙が流れる。

先に口を開いたのは安室の方だった。



「はぁぁ…良かった…無事で」

「…え?」



深いため息とともに、

心底ほっとしたというような声が

安室から漏れる。



「しばらくそよ香さんの代わりに

僕がシフト出ますよ。

ゆっくり休んでくださいね」


「ありがとうございます」


「あ、そうだ。梓さんからの預かり物を

宅配ボックスに入れてあるので

余裕があったら取りに行ってください」


「分かりました。では、また」




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