• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第4章 序の口





「あ、あの、私沖矢さんに聞きたいことが…」


「えぇ、どうぞ。なんでも聞いてください」



その微笑みの下には何が隠されているのか

今のそよ香には知る由もない。



「まずは、土曜日のことですが…」



沖矢の話によると、

その日は車でドライブをしていて、

たまたまあの空き地の横を通り過ぎようとしたところ

不審な動きをしている少年たちがいたので

声を掛けたらそよ香が襲われていた

とのことだった。



「熱もあって、意識が混濁していたようなので

そのまま救急病院に連れていって、薬をもらいました。

覚えていますか?」


「…いえ、全く」


その後、助けたはいいがそよ香の家を知らないので

沖矢の住むこの家に連れ帰ったという。



「ご家族に連絡をと思いましたが、

さすがにプライベートのスマホを見るのは

気が引けたので…」



息をするように嘘をつくのも

沖矢にとっては何でもないことだ。



「一人暮らしなのでそれは問題ありません。

……あっ!!」


「どうされました?」


沖矢がミルクティーを作ってそよ香の前に置く。




/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp