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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第3章 人でなし




「…分かりました。何かあればおっしゃってください。

ところで、マデイラはなぜ奴らに追われているのですか?」



「それはまだ分からないが…

ここは存分に “ バーボン ”を利用させてもらう。

では、また連絡する」




車のエンジン音が地下駐車場に響く。

クラッチを踏んでギアを変え、

ゆっくりとアクセルを沈めた。



(…そよ香は僕が守る)



静かに燃えるブルー・アイは

公安、降谷零の瞳だった。


















来客用スペースに車を停め、

マンションを見上げる。

先日、そよ香を送り届けたマンションだ。

無情にもヴェルモットから渡されたメモにある

住所とも一致する。



白を基調とした明るく、清潔感のあるエントランスには

左側に各部屋のポスト、右側には宅配ボックスが並んでいた。



「503…」



そよ香の部屋のポストを覗くと

ダイレクトメール、宅配便の不在票、今日の朝刊がある。


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