第2章 嘘つき

ブロック塀にもたれた田中が口を挟む。

足元にはタバコの吸殻が山になっていた。



「先輩がうるさいから挿れちゃうね」

「んんんっ！！」


首を横にぶんぶんと振って意思表示をしてみるが、

そんなことが通用するならこんなことにはなっていない。



少年はそよ香のナカから指を引き抜くと、

自分のジーパンを腰まで下げ、膨れ上がった己を

グイッと秘部にあてがう。



「オレのデカいから、ちょっと痛いかもよ…」



気色悪く笑ったその目に光はない。



「んんー！！んー！！」


最後の力を振り絞って声を出す。

少年がそよ香の秘部に腰をうずめようとした

その時




「ぐは…ッ！」



少年の奇妙な声が聴こえるのと同時に

下半身の不快感が消えた。



「なんだ！？…テメェ！！」



そよ香の胸をもてあそんでいた少年が

手を離し、立ち上がる。



「…彼女に何か用ですか？」



今なら動けると頭では分かっているものの、

そよ香の体は全く動かない。



「僕の連れなんですよ。

これ以上、酷いことはしないで頂きたい…」


コツ、コツ、と一歩ずつそよ香の頭の方へ歩いてくる。


（だれ…？）



力なく閉じたまぶたは、

自分の意思ではもう開くことができなかった。