• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第12章 君は誰の手に落ちる





「何の真似だ……」




真実を見抜く正義の瞳は、

安室君によく似ているな、と沖矢は思った。




「いやぁ、何をしているのかなと思いまして…」


「それはこちらのセリフだ。何故、降谷さんの声が…」




会話をしてきた沖矢に発砲する意思はないと判断したのか、

男は会話に気を取られているフリをして

沖矢の持つハンドガンを弾き飛ばすとそのまま左腕につかみかかる。




「……!!」



男は素早く身体を後ろに向け、沖矢の体勢を前屈みに崩すと

自分の肩肘を沖矢の脇下へ入れ、背負い投げの形をとった。



(チッ……!)



「どう言う事か説明しろ。お前…赤い車の男だな」



沖矢は不覚にも床に背中を叩きつけられると、

男に馬乗りにされ、身動きがとれなくなってしまった。




「…はぁ、降参です」



首を横に振り、両手を頭の上にあげる。



「君を公務執行妨害で現行犯逮捕する」



男が沖矢の手に手錠をかけようと身体を一瞬浮かせた。



「……なっ!?」


その一瞬のうちに、沖矢は身体をひねって男の拘束から逃れると

形勢逆転、男の頭を床に押さえつけて右腕をねじり

背中に押さえつけるようにして掴んだ。


/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp