【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第12章 君は誰の手に落ちる
小屋の周りに公安の車はなく、4人の男たちがうろついている。
2人はその男たちに見つからないように
素早くマスタングに乗り込んだ。
「あの眼鏡の男がここの責任者のようね…」
先ほどジョディたちに話しかけてきた男だ。
「なるほど…」
小屋から離れたところにマスタングを停めると、沖矢は言った。
「俺があの眼鏡の男ともう一人。お前たちはあの2人を片付けてくれ。良いな」
「了解!」
「分かりました!」
ジョディとキャメルは念のためハンドガンにリロードすると
ターゲットに近づいてく。
沖矢も後を追い、先に部下であろう男から片づけることにした。
「あの、すみません。道に迷ってしまって…」
背後から声をかけ、相手が振り返った瞬間
足を蹴り飛ばして地面にたたきつける。
「ぐはっ…!!」
「この程度が公安とは…安室君も大変だな」
哀れみにも似た言葉を残すと、沖矢は男の意識を奪った。
数メートル先の茂みに目をやると、
ジョディとキャメルが二人の男を木に縛り付けているのが見える。
どうやらあちらも終わったようだ。