【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第11章 懺悔
「で、話って?そんなに時間ないわよ」
「貴女も分かっているんでしょう?
この研究がいかに馬鹿げているか…」
「私にお説教?ずいぶん偉くなったのね…ヘルエンジェル」
ベルモットは拳銃に弾を装填しながら会話を続けた。
「貴女たち家族はこの組織から逃れられない…
彼女が大きくなったら…楽しみね」
「……!!娘たちは何も関係ない!!」
「子どもの成長が見られないのは心残りでしょう…
でも安心して。私たちが良いサイエンティストに育てるわ。
関係ない?笑わせるのもいい加減にしてちょうだい」
拳銃をエレーナに突きつけたまま、
ベルモットは前に進む。
銃口がエレーナの頭にゴツ、とぶつかった。
「誰かが終わらせなければならないのよ」
「そうね……終わらせましょう、今ここで…」
__パンッ!
ベルモットがそのまま引き金を引くと
エレーナは炎の海に身を沈めた。
「馬鹿な女…もう逃げられないのよ、私も…
カルヴァドス!後はよろしくね…」
翌日、研究所の焼け跡から宮野夫婦の遺体が発見され、
”研究中の事故死”として片づけられた。