【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第11章 懺悔
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安室はサービスエリアに車を停め、飲み物を買ってくると
そよ香に渡した。
「話してくださってありがとうございます。
宮野先生は僕の…いや…何でもありません」
そういった安室の声は、どこか慈しむようだった。
「そよ香さん、僕の話を聞いてくれますか?」
少し前かがみになり、安室はそよ香の方へ身体を向けると
彼女の両肩に手を置いた。驚いたそよ香の頬には
幾筋もの涙の痕が残っている。
「今度は、僕が貴女を守ります」
正義に満ちたブルーアイは、もはやバーボンのものではなかった。