【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第11章 懺悔
話終わると、エレーナは繰り返し「ごめんなさい…」と言うだけだった。
「…一人にして……」
「マデイラちゃん、ゆっくりしている時間はないの。
明日の朝4時、厚司さんと迎えにくるから…」
そう言い残すと、エレーナは部屋を出ていった。
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「あなたの生い立ちはよくわかりました…
辛い過去ですね…僕の慰めなんて、なんの意味も無いでしょうけど」
「……」
そよ香は助手席でその小さな肩を震わせている。
バーボンから差し出されたハンカチを素直に受け取ると、目元に当てた。
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__コンコン、
エレーナがマデイラの部屋の扉を開けてノックすると
待ち構えていたかのようにすぐに開いた。
「マデイラちゃん…」
たった1日で目に見えてわかるやつれ方だった。
そういえば昨日はほとんど食事を口にしていないと
給仕が言っていたのを思い出した。
下着にネグリジェを1枚着ているだけのマデイラはあまりにも目立つ。
「これに着替えて、明美のだけど体型は同じくらいだから、
ちょうど良いと思うわ」