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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第10章 それぞれの陰謀




それからボウヤと話し込んでいるうちに

いつの間にかあたりが暗くなってきてしまった。




「――さてと、話もまとまったことだし

ボウヤ、送っていこう」


「あ、うん…」



スッキリしない返事の後にボウヤの顔を見ると

どうやら俺と同じことを考えているようだ。

これだけでは終わらないだろう、ということを。














「沖矢さん?いないんですか?」



仕事を終えて家に帰ると誰もいなかった。

スマホにも連絡はない。

ちょっとコンビニに行くだけでも必ず私に言ってから出かける沖矢さんにしては珍しい。

急用だろうか。


こんなに大きな家に一人でいるのもなんだか落ち着かない。

夕食の支度を済ませてもまだ19時だった。




(本でも読んで待ってようかな…)




あの日私は沖矢さんに何を言おうとしたの?

自分が追われている立場で、私と一緒にいたら危険だと

そう言おうとした?




『僕ならどうにかしてくれそうだと

期待していたんですか?』




自宅が荒らされて、沖矢さんを引き留めた時に言われた言葉を思い出した。






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