【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第10章 それぞれの陰謀
*
*
*
「おいコナン!今日、博士んちでゲームやってこーぜ!」
「わりー、用事あっから先帰るわ!じゃなー!」
終礼のチャイムが鳴り、ランドセルを背負う時間ももったいないとばかりに
コナンは教室を走り出ていった。
「コナン、またかよ」
「最近コナン君、毎日あんな感じですね。
習い事でも始めたんでしょうか」
「歩美も習い事してるけど、毎日は行かないよ?」
少年探偵団の3人は口々に付き合いの悪いコナンの不満を漏らす。
「彼のそれは今に始まったことじゃないでしょ」
灰原は冷たく言い放つと、教室の窓から
校庭を正門に向かって一直線に走るコナンを見ていた。
「あれ?あの赤い車、昴の兄ちゃんじゃねーか?」
「本当ですね!この前はジョディ先生でしたよね」
「コナン君って大人の人と仲良くなるの上手だよね!」
コナンは突然現れた沖矢昴という怪しい男に
なんの警戒をすることもなく自宅を貸していた。
あれだけ注意しろと言ったのに
彼の考えていることはよく分からない。
「まぁ、江戸川君ってちょっと変わってるから…」
「灰原、オメー人のこと言えねーぞ」