【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第9章 渡さない*
「仰向けになれますか?」
もぞもぞと言われた通りにすると、
汗で冷え切ったキャミソールが背中に当たり一瞬驚く。
「んっ…」
「汗でびっしょりですね。このままでは風邪をひいてしまいますよ」
そよ香の着ていたブラウスのボタンを一つずつ外していく。
「あ、安室さん…?やめ……っ!!」
先ほどから熱い吐息を漏らすそよ香の唇に
安室は口付けた。
「んん…!」
抵抗しようとしても
左手は押さえつけられてしまい、
右手はボタンを外し続ける安室の手にかけるが
力の入らないそれはもはや添えているだけだった。
「口、開けてください…」
せめてもの抵抗と、
口をぎゅっと閉じて頭を横に振るが
安室の膝がそよ香の太ももの間に滑り込み
ショーツ越しにグッとあてがわれると
嬌声とともにあっけなく口元が緩んだ。
「あ…っ!」
その隙をついて安室の舌先が容赦なくそよ香の口内を犯す。
「んん!…んっ、ふ…」
沖矢とは違う、少し厚みのある舌が
そよ香の小さな口に無理やり押し込まれた。
口の端から唾液が流れようが、気にも留めずに
安室は絡まる舌を離そうとはしない。