【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第9章 渡さない*
「あぁ、これはスマートウォッチのようなものですよ。
時間は見れませんがね。
首に巻くことで心拍数、体温、血中酸素濃度、睡眠時間…
そういった健康状態をスマホにデータとして送ってくれるんです」
そう言うと沖矢はスマホのアプリを起動させ、
過去のデータをそよ香に見せた。
「へぇ、便利ですね」
「首輪のようで恥ずかしいので…
普段は人に見せないんですよ」
第一ボタンを閉め、ローテーブルに投げられていた眼鏡をかける。
「…沖矢さん、さっき嘘つきましたよね」
そよ香はどこか怒ったような声を出した。
「僕が、あなたに嘘を?」
言ってしまえば自分の存在自体が嘘なのだが
思い当たる節がありすぎて沖矢はそよ香の言葉を繰り返す。
「徹夜、昨日だけじゃないですよね!
今アプリに出てましたよ!
今週の睡眠時間トータル20時間って
おかしいじゃないですか!!」
そよ香の言葉に沖矢は面を食らった。
「…フフッ、、そよ香さんは侮れませんね」
「笑い事じゃないですよ!
あっ、沖矢さん今日は家事禁止です!」