【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第8章 メモリー
手探りでキッチンの電気をつけ、
いつもの場所でタバコとマッチを取り出すと
赤井は今まで得たマデイラの情報を反芻する。
マデイラというコードネーム…
幼いころから自分のことをマデイラと呼んでいたな
そよ香という名前は組織を抜けてからつけられたものか…?
不滅に近いほど長寿とされるワインの名前…
不死身、不老不死…とも言い換えられるか
そういえばジョディが見つけた資料には
genetic modification(遺伝子組み換え)の略語が
載っていたな。
注射針の痕…マデイラは特別な子…皆に血を分ける
皆とは誰のことだ?
そもそも、血を分けるには血液型とRh型が合わないと…
「特別な血…?Golden Bloodか…?」
人口の0.001%未満しか持っていないと言われている
Golden Blood…
その希少性のせいか、血液やその人間自体が闇取引をされていると
アメリカで聞いたことがある…
まさか、意図的に遺伝子を組み替えて
Golden Bloodを作っているとしたら…?